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斎藤由多加のブログだよ

連載という名の欲望

060726掲載

第一回目の原稿を今朝入れた。
水曜日から始まる毎日新聞での連載の原稿である。
毎日新聞といってもネット版だけどね。(これはつまりMSNのニュース欄ともいえる)

「なんだ、ネットか・・」
そういう反応が周囲にいうと、すこしある。
たしかにネットより紙の法が格が上だ、というイメージがある。
個人的にも同感である。

知人は某紙で連載小説の話がきて引き受けるか迷っているという。
週6日というから、これは大変である。(その新聞は巨大紙だ。)
作家としてはたいそうなチャンスであるが、表現者としてはかなりのプレッシャーと戦うことになるだろう。

書くということは、なかなか大変なことだ。
連載、となると、さらなる覚悟がいる。
頭をかきむしるにとどまらず胃に穴があく。
ワープロの時代だから原稿用紙を破ったり鉛筆を折ることはないだろう。すると作家が苦しむとマウスや携帯が痛めつけられることになるのだろうか? だとしたら高くつく。

表現をするという行為は人間本来の欲望だが、それが連載という名に変わると苦痛になってくる。
トムソーヤのペンキ塗りの理論と同じだ。
どんな好きなことも仕事にすると苦痛になってくるものだ。

しかし、締め切りがないと作品なんて出来上がらないと夏目漱石は言った。
だから最近は、「催促してくれる人がいることはありがたいことだ」、と思うようにしている。
叱ったり褒めてくれる上司が不在の本業と比較すると、その貴重さは間違えない。
人間、おわりがないとおわらないのだから。

その点で、「ネット」というのはどういうわけか気がすこし楽だ。
分相応という気がする。
ゲームも連載ができたらいいのに・・。
最近本当にそう思う。