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斎藤由多加のブログだよ

さあ、ラストスパート、がんばっていこう

いつも仕事で一緒してもらっいるみんな。
おつかれさまです。
さて、そろそろラストスパート、って時期にきました。そのあたりについて思うことを少々。

仕事ってのは人生と同疑語なもののようで、山と谷が交互にやってくるものだ。デバグってのは、本当にやっかいな最後の峠だけれど、そのあとには大きな地がひらけているものだ。

デバグというのは最大のチームプレイだからさ、この時期でいちばん大切なことは、実は「コミュニケーション」です。
これまで連携していなかった人と連携することで、難攻不落だった大きな敵を倒すことができる。いいかえると、連携しないかぎりたおせない大きな敵が、「バグ」なのである。文字通り大仕事ということになる。

そんなデバグ段階において、企画者というのは実に無力である。この時期になるといつもそれを痛感する。高見の見物者みたいに、いや、分娩室の外で待つ父親のように、ただ指をくわえていることしかできないものである。

いつか過去に触れたけれど、仕事には業務と職務ってのがある。
業務というのは、プログラマーであればプログラムを書く、とかグラフィッカーであれば絵を描く、つまりいわゆる普通の業務である。いっぽうの職務というのは、自分のパートが納品できたら連絡をする、とか、人が必要なものを先回りして知らせてあげる、とか、あるいは連絡があったときに気持ちよく対応する、といった、プロとしての資質をきめる重要なパートである。

この職務というものが力を発揮するのがこの時期だと思う。
職務の意識が欠けていると、「自分は定められた仕事だけしかしないし、したくない」ということになってチームプレイが成り立たない。この時期にはそういう資質の差がでるので、ひとたび「腕はいいのに残念だね」という評価(あるいはレッテル)がつけられると、仕事が来なくなる。逆にこういう時期にめきめきと頭角を発揮して「よくがんばってくれるな」となると、「次もあの人にお願いしたいな」ということになる。つまりプロとしてとても大切な時期である。

ずっと昔だけれど、NYの坂本龍一さんのスタジオに遊びに行ったときのこと、氏は、映画「シェルタリング・スカイ」の音楽をつくっているところだった。エド・サリバンビルっていったっけな?そこのスタジオでマックSEを前にボーとしているので、「どうしたんですか?」と聞いたら、「ベルトリッチがまた編集をかえたので一から曲の作り直しだ・・・」とぼやいていた。

こういう時って「ふざけるな・・」と怒鳴り込みたい気持ちもあるんでしょう。でも、それはそれとして、しっかりと作品を完成させてすばらしい映画となって公開された。映画館でそれをみて、「すばらしい作品だからといって、順調にすすむわけではないんだな」と思った。

CMでも映画でもゲームでも、晴れ晴れしく披露されているものは、実は裏方ではドタバタの連続である。著名クリエーターが多数参加している作品はなおさら、人間関係を含めてすったもんだとトラブルが相次がないわけがない。

そういうトラブルを、各人がすこしづつ工夫し調整しひとつのハーモニーとして完成するのだろうし、ちょうどデバグをしている僕たちもそのフェーズにあたるのだと思う。自分のパートに10パーセントほどの創意工夫を乗せてやってはじめて円滑な流れが維持されるにちがいない。

Tくん、Dくんを中心に、関係各位のみなさん、さあ、あとすこし。
これまでの努力をいい作品として結実させていこうよ!!!