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斎藤由多加のブログだよ

リテラシー

5月20日(土)
今日、古本屋で
007のパンフレットをまとめ買いした。

007危機一髪(今でいう「ロシアより愛をこめて」のことです)」・・・4000

007サンダーボール作戦」・・・3000

007は二度死ぬ」・・・3000

そしてなんと

007は殺しの番号(初作「ドクターノオ)」です」・・・18000

合計 28000円-出精値引き=25000円

ロシアより愛をこめて」が当時は「007危機一発」だったなんて、味のある邦題だったものがいつのまにか変わったんだなぁ・・。

いま買えるDVDは画質がきれいすぎて色あせた古さを感じることができないので、このパンフは、なんとも当時の社会事情をリアルに知れて、かなりおもしろい。

たとえば、「ドクターノオ」の表4は渋谷の喫茶店「ブルボン」↓

そして表3はビタミンライスの広告です。表3対抗にいたっては無地のメモですよ! 
推するに、得たいの知れない洋画に、日本側はほとんどどうでもいいような記事で対応しパンフはつくられています。これが18000円です。(笑)

以前にとある企画で「好きな映画ベストテン」を選ぶことになったのだが、その順位付けがなかなかむずかしい。あれこれ頭を悩ませた挙句、結局その日の気分で強引にきめた。上位はどういうわけかブラウン管で見たものばかり・・・。多感な中学生の頃はそれくらいテレビの洋画劇場に影響されていたのだと痛感。ちなみに一位はアランドロンの「冒険者たち」これは大人になってDVDで入手することができた。二位はジャン・ポール・ベルモントジャクリーン・ビセット(たぶん)の「おかしなおかしな大冒険」。売れない三文作家の妄想と現実が入り乱れたはちゃめちゃなラブコメディなのだが、この作品はいまだに情報がぜんぜんないからその時見ただけという作品だ。たった一度だけの記憶が鮮烈に残っていて見事二位となったのだが、DVD情報などなにか知っている方がいたら教えてください。

男子校ですべてに未熟の僕には9時からの日曜洋画劇場水曜ロードショーが甘酸っぱい体験の時間だった。
年をとると人間も心が荒んでくるもので、感動するかわりに製作の裏側を邪推してみたり、演技の稚拙さを指摘してみたりと、若さ特有の感動が得られなくなるものだ。だからこの「おかしなおかしな~~」とは再会しないほうがいいのかもしれないなぁとも思ったり・・・。

さて、番組の話に戻ると「この映画はこうみるといいですよ」、そういう道案内が不可欠だった。その代表格が淀川長治さん。すこし音なの匂いがいる映画館では、パンフレットなるものが150円で売っていたし、つまり洋画にはまだ未知なる海外事情をあれこれ教えてくれるガイドがかならず作品とペアでいる、それが洋画だった。

しかしいまレンタルビデオとDVDの時代にはそれがない。日本国民はハリウッド事情に十分精通しているし製作情報はリアルタイムに伝わっているから映画番組に案内役はもはや不要になったのだろう・・。(007はイギリス映画ですげと)

社会というのは進化するものである。僕たち日本人は洋画のリテラシーが上がった。だから解説なんてものがいらなくなってきた。不要なものはどんどんと割愛されてくるのはどんなものでも共通で、たとえば複雑化するパソコンの取説はなぜか驚くほど薄くなった、あるいはしビギナーの壁といわれていたマウスはボタンが2+1(ホイール)になり、アップルのワンボタン技術が今ではかすんで見える・・・・。

しらずしらずのうちに僕たちは集団学習し、世の中は合理的に進化してゆく・・。

↑「ドクターノオ」では舞台となるジャマイカなる場所が果たしてどんな場所なのかが解説されているのだが、まるで同人誌だ、こりゃ。(笑)