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斎藤由多加のブログだよ

大阪のお巡りさん

連休で思い出すのは、大阪に出張でいったときのこと。数年前のことである。大阪はあまり用が無いのでほとんどいかないのだが、そのときは知人の会社に遊びに行くため足を伸ばした。

その会社を探しながら市内を歩いているとでっぷりと太ったお巡りさんが自転車にのってゆっくりとこちらへ走ってくるのが見えた。大阪と自転車とお巡りさんはなぜかよく似合う。

ちょうどその交差点に原付バイクに乗った若者が現れ、信号の停止線でエンジンを切ると慣れたそぶりで横断歩道をわたり、すかさず右折待ちをスキップしてそのまま歩道の上を走り始めた。

それを見つけたお巡りさんは、とてつもない大きな声を出して自転車をダッシュさせ、そのバイクに追いつくやいなや、烈火のごとく怒り始めた。対照的な体の大きさだからかもしれないが、まるで殴りかからんばかりの勢いに見える。僕はつい好奇心のあまりそのまま立ち止まって見ていたのだが、大阪の通行人はそんな風景に慣れているといわんばかりに無視して先を急ぐ。

しばらく見ていると、ときどき「ここわなぁ!」とか、そういった類の怒号が関西弁で聞こえてくる。ぺこぺこと頭を下げる若者の姿。何点切符が切られるのかと思いきや、しばらくして状況が軟化。そして聞こえてくるのはすこしやさしい表情で「わかったな」という諭し声。あれれ??切符はきらないの?処分とかはないの??さらにしばらくすると「よし、いけ」というジェスチャー。若者は、すんません、という表情でバイクで去っていった。世直しをした巡りさんは自転車にまたがると、満足げな表情で逆方向に走っていった・・

最近にしてはめずらしい光景をみたと思った・・・。

上司や先生に「怒られた」という慣用句がある。
おそらく本当は「叱られた」というのが正しいのではないかと思うが、いずれにしても若いころによく使うフレーズである。
まさにこの光景は、「怒られた」にふさわしいものだった。
精神的な恐怖感を以って罰となす教育的指導を「怒る」というのかなぁ。日本的だなぁ。いや大阪的というべきか・・。

昔は学校の先生もよく怒ったものだ。
顔じゃないが、頭蓋骨あたりをグーでよく殴られたものだ。
でも最近は、体罰がどうの、という議論がPTAとかからあるそうで、苦労していると聞く。
昔の日本ではお巡りさんもかつてはそういう役割を担っていたにちがいない。

いまはお巡りさんも先生も、ドライに「はい、、ペナルティーです」となる。
「君は退学で、君は停学ね。」となるのだろうか?
精神的な苦痛はないが、それがいいことなのか、淋しいことなのか・・・どちらなのだろう。