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斎藤由多加のブログだよ

帰国

060625掲載

帰国した。
ずいぶんと疲れたなぁ。
しかし、帰国するとなぜほへっとするんだろう?
一日、寝てすごしていた。

さて本当のことをいうと、モスクワという街は、実はとてもきれいで発展していました。
急速に西側の市場主義が入ってきていることを(目下のところそれはたぶんこのモスクワという都市部にかぎった話だとは思いますが)肌で感じる。

コカコーラとマクドナルドの看板があちこちに立ち並び、壁にはMSMessengerの巨大な広告が張り出され・・

▲この大きな広告スペースに「電化製品と自動車以外だったらすきな広告を出していいよ」といわれたら、僕たち日本人は何か広告できるものもっているだろうか? ちょっと考えてみるといい。このスペースにふわさしく、海外で勝負するに値するソフト資産やサービス、ブランドをどれだけもっていないか、をね。

情報産業に従事する若い世代は、もはや躊躇せずに海外にどんどんと進出することを考えないとならない。いや、ぜひそうしようではないか。それがなにであってもいい。

ポスト小泉として次期総裁候補といわれているA氏とかつて会食をしたことがある。IT産業の面々が数名集まってのことである。
氏は「アメリカ政府はとにかくマクドナルドの輸出にはとても力をいれている」と語っていた。
「日本が軍事産業に参入することにものすごく神経をとがられているので、三菱重工がけっきょくライセンスをうけて、F戦闘機をOEM製造したところ実に優秀なものができた。しかしそれを知ったとたん、アメリカ政府は猛烈に圧力をかけてきた」と。

その一方で、日本はどれだけ戦ってくれているのか、と聞くと、あまりかんばしい例を聞くことができなかった。

日本という国は、本当に世界産業を育ててゆくつもりがあるのだろうか?
中途半端な中小企業支援というレベルにとどまらず、海外進出支援をしなきゃ。国でしかできない仕事というのがある。国内だけでもめていては未来がない。日本映画が海外でヒットするだけでどれだけ他分野への波及効果があるかは韓国の例をみればあきらかで、要するに、黒澤明のような人がいないといつまでも日本は知られないままなわけで、ぜんぜん知らない国のサービスなんか使わないよ、と思うのである。
海外進出にいちばん奥手なのは政府なのではないか?

情報産業というのは労働集約産業だから、ユーザーというかテリトリーが広くないとどんどんと競争力が落ちるわけで、ふと気がつくと僕たちは日本語ワープロまで海外製のものをつかうようになっているではないですか。あれだけややこしいといわれてきた日本語の漢字変換だったのに・・。僕のPCに日本製のソフトはもうほとんどはいっていないですよ。
ハード製造業もアジア諸国にすんでのところまで迫られているわけだし、こけではまずいぞっ、と思う。

帰国という言葉ではじまった今回の僕の原稿だけれど、欧米の知人たちは、帰国という概念が僕らのように強くない。というか他国で子孫を「繁殖」せんといきまいてやってくる。国際結婚なんてなんのその、そもそも国内と国際もたいした違いがない。そう、そのパワーはまさに「繁殖」という言葉がふさわしいほど旺盛だ。世界規模の開拓に明け暮れている、という精神は、大航海時代からの伝統なのか?

大英帝国帝国主義の名残として007映画があるとするならば、この映画の主人公は世界を我が物顔で行き来する。各国の美食や宝飾品と同様、と同様に世界の美女をわんさかとあさってゆくのが彼らの主義である。日本を代表する美女「浜みえ」も(昭和40年代当時)、まんまと持っていかれた。男としてはあまり愉快な話ではない。これが帝国主義である。

そして近代のアメリカの帝国主義というのは、英語教育とマクドナルドとコカコーラとマイクロソフトがその先陣の功をとる。ハリウッド映画とMTV、CNNがこれに続き、そしてGAPとスターバックス、と見事なまでにオールスターでの市場拡大バトンリレーが開始される。
真似てでも盗んででも自国で作ってしまう、という旧ソビエトの精神が崩壊した今、ロシアの入国審査場のパソコンはWindowsXPが入っていた。もうここからは際限なくアメリカ帝国主義が火を噴くだろう。

僕たち日本人の未来はどこにあるのだろう?
これまでどおり、ソニートヨタのような製造業だろうか?
もっともっと若い世代が意味のないコンプレックスを捨て、本来の誇りをもって外にでてゆく日はくるのだろうか?
いや、そうであってほしいと、強く思うのである。

つづく。

P.S
そういえば、ロシアで購入しためずらしいライカ、僕のライカの氏とも言うべきNクンから連絡あり、どうやらかなり精巧にできた偽物のようだ。
それなりの(!)価値がある偽物だそうだが・・。
ちっ!(笑)