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斎藤由多加のブログだよ

長嶋有さん

あの人この人

ここのところ、人生というレベルでなにか転機を与えてくれているような気がする、それが長嶋有氏である。

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芥川賞とか大江健三郎章とか、社会的な大賞をたくさんとった人だけれど、「主宰する同人誌に小説を書かないか」と誘ってくれたことで、文学界(?)なるものがすこし身近な分野に感じられるようになった。

ここのところ小説を書いていて、「なんでこんなに自分は下手なんだろう」と考えていたのだけれど、実はごくあたりまえの答えがある。それは、「小説をよまないから」

今日丸善で買ってきた本も講談社新書の生命系の本ばかりだったし、大きな本棚にある書籍をずらりと見てみてもほとんどが宇宙開発系やら図鑑やら哲学やら宗教やら、とにかくノンフィクションばかりだ。それが自宅と会社の壁一面を埋め尽くしている。

「ここまで偏っていたか」と改めて気付く。要するに「人の心」に興味がないのかもしれない。

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木曜日に、丁寧に赤入れされた僕の原稿を戻してくれた。誕生日プレゼントをもらうよりも、自分の稚拙な作品に赤入れしてもらうことのほうがありがたい。

「自分の色に染めているようで申し訳ないです」という長嶋氏に、「料理は母親の味に似るものですよ」と答えた。作品が無色の人間は、まずは誰かの色に染まらないと始まらない、そう思っている。

「ものづくりを通じてしか人を愛せないのではないか」、僕は自分をそう思うことが多い。それはあまりよくない意味であるにしても、この長嶋氏はいまの僕にとって敬愛すべき人なのである。