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斎藤由多加のブログだよ

ビバリウムという会社のホームページ

ビバリウムという会社は、いま開発のメンバーが全員デジトイズに集中してしまっているので、経理とか財務とかそういうスタッフが数名いるだけの会社です。
企画のスタッフは採用してゆきたいと思っていたのだけど、「本当の企画」ができる人なんて社員という枠組みで勤務なんかしたがるわけがないし、出来る分けない。でからどこのゲーム会社も困っているのだろうし映画業界や音楽業界をみればそれはあきらかだ。むしろ企画マンなんてのはミュージシャンや作家と同じで、企業に採用なんかされてなくたってあちこちでどんどんと頭角を現しているくらいの勢いがあるものだし、でないと「実績なし」では信用できない。「雇われてから企画でもしてやろう」なんてよく考えてみればほかの業界じゃ、ありえないですからね。あたりまえですよね。ゲーム業界は、だから、「へん」なのです。若手の才能がなかなか出にくいし、見つけにくい。

今回、僕がT君に出した依頼内容は「会社っぽくない事」ということでした。もともとたいした会社じゃないし、要するにデザイナーオフィスとかインディーズの音楽 レーペルが持つアンダーグラウンド感がほしい、と。ビバリウムという舌をかみそうな社名に込めた思いも、そういう危険さ、でした。だからこれ見よがしに 「採用情報」とか「企業沿革」とか「当社へのアクセス」とか、そういう類いの「企業サイト」になってしまうと僕としてはどうも違和感がある。どちらかというとブログのほうが感覚としては近いわ けで、だからこちらのブログばかりやっていたというわけ。ブログならば自分で好きに更新できるし、ストレートに言いたい事が言える。だいたいビバリウムなどという企業の情報なんかどうぜ見たい 人いないにちがいないと踏んでいたわけです。笑
そんなこんなのことを考えていたからホームページもほったらかし、で最近まで来たんだけど、ここんところ海外からの問い合わせが増えてたり(そういう人はちゃんと日本語がよめないし、僕のブログも読めていないから困っているみたい)、映画の話とかも来ていて、「ここらですこしかこカッチョいいやつ作ろーか?」とデザイナーのT君に先月にあれこれと依頼をだしたところです。

ということで、そろそろ新しいサイトができあがってきたみたいですので近々にお披露目できるかと思います。(何回かレビューは済ませていまして、いまT君は最後の変更依頼をこなしてもらっているのではないかな?)
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最近年取ったからか、とても感じることがあります。すごく優秀な人と仕事をしてみたいという欲求が強いのです。かつて自分が若い頃は、自分が崇拝する大先輩と仕事がしてみたいなと思い続けてきた。自分の勉強になるし、刺激にもなる。人生がその人と仕事をするおかげで豊かになるし目標にもなる・・・。ずっとずっと以前からこの願望があって、でも気づくと自分がもういい年齢になっちゃっていて、つまりいつしかそういうタイミングとすれ違ってしまったんだな、人生のどこかで・・。すれちがったときにNintendoDSすれ違い通信みたいなのがあって「ちゃり」とか音がしてくれれば気づいたんだろうが、そういうのが全くなかったから、この年までずるずると来てしまったといえます。

自分のゲーム開発人生をふりかえると、何人か、「この人はすごいなぁ」という人がいたし、デジトイズにもそういう能力の片鱗を感じさせる若い人が数名入ってきてくれているけど、所詮企画とは専門分野が違うからね。

いざ募集をかけると「企画志望」という人は山ほど応募がくると聞くけど、過去の経験だけでいえば、「ろくに日本語を知らない」とか「社会人としての経験がからっきしない」とか、「あまりに知識がない」とか、要するに企画って専門分野だと思っていない人ばかりだった。プログラマー志望でずぶの素人が応募することはないだろうけど、「企画業」って、ずぶの素人でもできる、と思われているんだろうな・・・。
「開発企画」(仕様を整理してプログラマーに橋渡しする作業担当)はともかくとして、あたらしい事を発想する「企画」って仕事はさ、つまるところ究極の専門分野だと思うのです。「発想・発案する」というのは道具も技術もないように見えますけどね。要するに「視点」であり、「発見力」であり、「それを信じる力」であり、最後は「その人の生き方」じゃないですか。C++みたいに腕のよりどころとする言語がないから、素人と混同されてしまうんだろうな。
こういう人って「採用」とか「社員」という枠組みだとたぶんぜったいに出会えない。
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だから、仕事を通じて出会うしかないんだけど、そうなるとますます外の人出会ってどんどどんどんと街に出て仕事をしなきゃ、と思うわけです。でもでも映画や文芸や音楽とちがって、ゲーム業界って究極の「サラリーマン業界」なんですよ。オフィスにして、IDカードを旨からぶら下げて、それでいっぱしだと思い込んじゃう。

先々週のサンデージャポンに、ブリトニー某というホームレス漫画家という肩書きの女の子が特集されていたんだけど、ネットカフェに住み、スーツケース引っぱって移動し、カラオケでマンガ原稿描いていたんです。それをみて僕は大反省してまして・・・。僕自身がもっとフリー化していかないとダメだなぁ・と。

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才能あふれるフリーの人とどこで本当に出会えるのかな・・そういう「師」のような人は、僕がもうこの年だから、僕より若い人の姿をしているのかもしれないですね。
年下でもいいから、「斎藤さん違うよ!」とかいわれたいです。
最近の若者は上司にいわれるとすぐに辞めちゃうとか聞くけど、フリーの人はもうそれ以上辞められないから、だから伸びるんだろうかね?

ということで、あたらしいビバリウムのサイトは、そういうフリーの根性ある人が、「おい、斉藤とやら、おれと仕事をしねぇか」なんて声がけしやすい作りになる予定です。