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斎藤由多加のブログだよ

些細な理由による人生の分岐点

ただの日記

「いいからあがってきなよ」
友人からもそのお母さんからも、何度もそういわれたけれど、彼の自宅にあがることを執拗に断って帰宅したことがある。小学生の頃のことである。それからなんとなく彼との関係はぎくしゃくした。

彼の家にあがらない理由は明白だった。その日、僕の靴下に穴があいていたからだ。それを見られるのが恥ずかしかった、ただそれだけのことである。もしあのとき、kくんの家にあがっていたら、その後の僕のたどる人生はどうなっていただろう?と思いだすことがある。

人からは理解できない言動、でもその理由は実は些細なことだったりする。口に出さなければ他人からは決してわからないようなとんでもなく些細なこと。だけどそんなことへの躊躇がどうしても避けられなくて、希望せぬ選択肢を進みはじめてしまうことが人生にはある。

満を持して告白をしようと思っていたのに、突然帰ってしまった彼女。そのせいでプロポーズのタイミングを逸した実らぬカップルの運命の理由。それは、実は彼女が「そのとき下痢でおなかが痛かった」から、とか・・。

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多かれ少なかれ、人には、他人には言えないこと、というのがあって、そのせいで、たくさんの「不可解」があちこちで発生している。いや、むしろ世の中はそういうことで溢れてるのではなかろうか? 何でもいえる関係になってしまえば、どうということのないことなのだけれど、人間同士がそこに至るのはそう簡単ではない。

このジレンマ、が恋愛であれ仕事であれ人間関係のひとつの難題だったりする。「本当のこと」をいえる関係ほど、助かる関係はないが、その関係は得難いものだから。

だから、「一緒にいて疲れない関係」というのはとても大切だと思う。
「ごめん、腹が痛くて、ちっょとトイレいってきていい?」
ちょっとかっこわるいけれどそういえるからこそ、つかなくていい嘘をつかなくて済む。

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人間は動物とちがってプライドというものがある。
だからややこしい。
動物は、恋人の前でもどこでも、突然おならをするし、交尾もする。
でもなぜか人間だけは、いろいろな生理現象を隠さなきゃならない。そういう行為が「はずかしい」とされているから。

結婚して、歳をとって、病気がちになって、やがて老いて入院したときに、どれだけ恥ずかしい姿をみせられる相手がいるか、それが人間の財産だったりする。