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斎藤由多加のブログだよ

春の好奇心

ここ数日の晴天と強い風。
これは春一番といっていいんだろうか?
とにかく何をするにも気持ちがいい。

こういう天気のおかげで、朝出社すると、いつもきまってエレベーターの中で、その日のアイデアが浮かぶ。
そしてきまってこう思う。「よし、今日はこのことをブログに書こう」と。

でも、帰宅すると忘れている。
「あれれ、なんだっけ?」と。
においのように些細なネタだから、油断するとすぐに忘れてしまう。
しっかりと言葉にしておかないと、思考というのは定着しにくいものだ。その許容量がとても落ちているのかもしれない。

ここのところそれが三回くらい続いているので、すっかり自信を無くしている。
脳細胞までが春一番で吹き飛ばされているのかもしれない。

もしかしてこれは春一番ではなく、老化なのだろうか?
だって記憶力はだれより よかったはずなのに・・・。

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今週もカメラを担いでKクンと車で出かけた。
今日はあてもなく東北道に乗ってずんずんと一時間ほど北上し、名も知らぬ田舎町のインターで降りた。

Kクンが持ってきたCDをかけながらの気持ちのよいドライブ。インターを降り、さらに日当たりのいい田舎の風景がひろがる国道を20分ほどいって、なんとなく地元のスーパーに立ち寄った。

そのスーパーに入って、店内が新入学シーズン真っ盛りであることに気づく。
書籍コーナーには、付録に目を輝かせる子供の姿があった。

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この少年の知的好奇心に満ちた眼差し・・・。
こういう眼差しを見るのが大好きで今の仕事をしている気がする。

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そういえば、ちょうどここ数日間、某局の番組企画で、自分が子供だった頃の取材を受けている。
「斉藤さん、あなたはどんな少年だったんですか?」そういう唐突な質問に答えんと、自分の少年時代に思いを馳せてみる。
一昨日は当時の先生の所在を確認するために、34年ぶりに同じクラスだった女の子に電話をした。記憶のもやがゆっくりと晴れ始め、忘却の彼方に追いやられていたものがすこしづつ蘇ってくる。そして思い出してきたこと、それはたしかにあの頃、目に入るものすべてが珍しくて珍しくて、ドキドキするような毎日があったことだ。一日がとにかく長かった。

この少年は何歳までこのドキドキするような好奇心を持ち続けてくれているだろうか?
それを持ち続けさせるのも、どこかで失わせてしまうのも、いまでは僕らの責任のような気がする。

僕の子供時代にコンピューターゲームはなかった。いまやゲームというのは、子供たちにとっては、テレビ以上の存在になっている。
僕たち製作者がどこまで純粋な好奇心を持ち続けていられるか、それが彼らに大きく影響を与える時代になっているのだ・・。

そんなことを話しながら僕と社員のKクンは天気のよい日曜の午後の帰路についたのであった。