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斎藤由多加のブログだよ

タレント本のススメ

入院の退屈しのぎといえば読書。入院は先週の日曜日から予定されていたのだけど、その日のサンデージャポンで紹介されていたタレント本を3冊すべて、そそくさと買って入院した。
一冊ははるな愛ちゃんの「素晴らしき、この人生」、一冊は椿姫彩菜ちゃんの「わたし男子校出身です」、そしてもう一冊は元レッドウォーリアーズのボーカルの「なりさがり」。

いい年の男がタレント本なんて読んでんの?と思うでしょうが、読み比べるとこれがなかなかおもしろいのです。
愛ちゃんと彩菜ちゃんの本は、タレント本というよりもニューハーフ苦労物語。キャラの違う二人ですが、その生い立ちや苦労はとても似ている。性同一性障害と自己への違和感、人間不信、親の不理解、自殺願望、家出、男性との出会いと裏切り、ニューハーフママとの出会い、大手術の決心、女性になって親との再会、そしていまはたくさんの人に支えられて幸せです、と、どちらもちょっとした演歌調な自伝といった感じ。それに対してレッドウォーリアーズの「なりさがり」という本。流れとしては(ニューハーフである事を除いて)この二人と意外に似ていて、「酒とセックスとロック」に満ちた人生が「Oh,Yeah, ロックだぜ」口調で連綿と綴られてる。元光Genjiの諸星クンの本に匹敵するほど笑った。よくよく読んでいくうちに、もしかしたらこの三人の中で一番不幸なのではないか?と思わせる彼の人生は、支離滅裂すぎて表現不能なのですが、とても純粋な人なんだろうなぁ・・。自伝に苦労をこれだけした、という演歌調が多い中、人生をロック調で通すとこうなってゆくんだろうなと、ある意味感動したのです。しかもこのおっさん、年は僕と同じなんだけど、表紙が、たるみ気味の上半身裸に十字架を下げた「ロッカー」の出で立ち(爆)。

1836円もするので新刊としての購入としてオススメするのはすこし気が引けるが、ブックオフあたりで買うならいいかも。同世代の人にオススメします。

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すこしバカにしたような表現で紹介してるかもしれませんが、実はタレント本というのは(このブログを読んでいる人の中には読む人少ないでしょうが)、書店でちょっと立ち寄ってみる事を強くお勧めする次第です。その理由はくわしくあとでお話ししますが、題材が創作でなく「生身の人生」だからです。

そもそもタレント本を読むようになったのは最近で、浅草キッド水道橋博士のタレント本の書評集に触発されてからです。日経エンターテイメントの連載だったそうですが、そこで彼が取り上げている本は、高倉健から光Genjiまでかなり読みました。

たとえば若手男性タレント本にかならず出てくる「矢沢永ちゃん」の表現の違いを比べるだけでもかなり笑えるし、ファンの女の子やアイドルの食い方の「ほんとにそんなことあるんだ」的な違いを比べるも良し。

ほとんどの読者はごく普通の人生を送っているわけだけど、結局タレントだって、そういうスペシャルな世界に身を置けるのはごく数年、という人間の共通法則がある中で、彼らがどう輝き続けようとしているか?どう延命しようとするか?を読み取るのが楽しむコツです。 タレント本ですから登場人物の真実を明かす訳に行かないという事情もあるしドラマティックに描きたいというタレントの見栄もあるから単品で読むと印象は微妙なのだけど、複数のタレント本を読み比べる事で、そこには非日常の世界で起きるイベントに対処しようとする、「人生」という題材への一人の人間の取り組みが見えてくるわけで、その意味で入院というイベントにはもってこいの本だと思うわけです。