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斎藤由多加のブログだよ

とりあえずの結論として

ただの日記

ゲーム稼業をはじめて17年、独立してからちょうど15年が経過した。ずいぶんいろいろなことを経験してきた。この週末の地方出張で、ふと我を振り返ってみた。そんな話。

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初めて訪れる地方都市でついぞ観察してしまうこと、それは都市構造の規則性。

あたりまえだが目抜き通りの交差点あたりには大手デパートがどんとある。そこの一角にはかにらず海外の老舗ブランドが看板を出していて、それらが300mくらいの範囲に点在して続く。そり範囲にマクドナルドとスタバが一軒づつある。

そこからさらに観察してゆくと、次の大きな交差点には、GAPがあって、角地のビルはたいていその都市の老舗飲食が看板を出している。そこから次のブロックにかけて携帯電話ショップ、カメラ・電気の量販店、パチンコ屋、喫茶店が軒をならべ、そして裏道にかけては歓楽街が顔を出しはじめる。

いわゆるビジネス街は、この地域とはすこし離れて、たとえば駅の反対側、あるいは川の反対側、どちらもない場合は、3ブロックくらい離れたところ。ここに大手証券や保険会社のビルが並ぶ。

冒頭の大手デパート一階の一番目に付くところにはヴィトンとそしてシャネル、次にフェラガモあたりが顔を並べ、コーチとディオールがすこし奥まったところに。そしてあったりなかったりするレアアイテムがハンティング・ワールド・・・。

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フラクタルという理論があって、雪の結晶から蜂の巣、植物の葉脈まで自然が織り成す世界を数式で再現するけれど、人の営みが積み重なって出来てくるこの手の集落。そこにはなんとなく規則性があるように思うのだが、地方都市を訪れるたびにそれを数式化できないかな、と考えてしまう。個性豊かな人間たちが行きかう市街地地、群集という観点で紐解くと、何か複雑系が織り成す規則性の上に形成されるのではないかな?、と。人間は否定したがるだろうが、実はアリや蜂の行動を複雑にしただけの世界観のようにも思えるのだ。

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シミュレーションゲームの企画屋の仕事というのは、こんなような規則性を見出すことから始まる。煩雑の中からその規則性だけを取り出し、それらを因果関係のループとして再定義する、という流れへと続く。

こうやって言葉にすると同業の人間は「たしかにそんなかんじ」と思ってくれるだろうけど、たたかだかこれだけの結論に至るまでに紆余曲折して10年以上かかった。平然と書いたがいまの自分の仕事のエッセンスだと思っている。

言葉で言うのは簡単だが、この「煩雑の中から規則性を見出して取り出す」というのが実はなかなかの苦労で、しかもセンスを要する仕事だ。人が興味をもってくれるテーマでなくてはならないし、意外性もなくてはならない。シンプルすぎると面白みがないし、複雑すぎると意味不明になってしまう。シミュレーションゲームのおもしろさとはそういうものだ。

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文明とは因果関係の記述である。解決とはその実践であり、未来予測とはその応用展開である。

これが僕が17年、ひたすらシミュレーションゲームを作って得た、唯一の結論のような気がする。