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斎藤由多加のブログだよ

今月のイチ押しの本はこちらです

今月のイチ押し

唐突ですが、今日の更新から「今月のイチ押し」というコーナーを新設することにしました。理由はとくにありません。
ということで、第一回はこちらです。青山ブックセンターの平積みから買ってきました。
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この手の昭和本を褒めるケースのほとんどは、いわゆるノスタルジーからくるケースが多いものですけれど、今回は違います。本書に取り上げられている製品のひとつひとつが、昨今の広告の技法だけでは打ち負かす事の出来ない存在感というか、オーラをもっている、のです。そこに感動したというのがオススメする理由。
まその意味では、この本が、というよりも、取り上げられているオリジナルの製品がすごい、ということになるでしょうね。それを感じとるための絶好の本。いわゆる「広告」のクリエイティブを評論する類いではありません。

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たとえば、以前にも触れたことがあるのですが、昭和40年代終盤のラジカセブームやベリーカードのブーム。この頃のラジカセというのは、今でいうiPodのような存在だったのではないかなぁ? いずれにしても中学生の僕にとっては、よくわからない専門用語も含めて、とても大人チックでカッチョいい存在でした。そういう憧れのメカの広告に夢中になっている自分までもが、むろんこれはすこし背伸びしているわけですけれど、そうしている自分自身がカッコいい、とまで思えてくるわけ。
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変身サイボーグというのも、テレビのヒーローキャラの人形遊びに飽きた小学生にとっては、科学メカっぽかった。でもこのシリーズでいちばん憧れていたのは、手に入れることはなかったけれど、ボタンを押すと彼らの声が再生されるという(製品名はおぼえていないけれど)へんな機械だった。オーディオ機械っぽい玩具ってのがそれまでにはなかったわけで、人形より遥かに大人っぽくてかっこ良かったなぁ。録音はできなかったけど、つまり使用目的はよくわからない機械だったけど。

ま、つまりそういう、男子にはやけに響く製品ばかりが本書では多く取り上げられていてたまらないわけですが、それは編者の方々が男性であるせいでしょうね。趣味的にも世代的にも自分と近い方々なのでしょうか。そのおかげでセレクションにムダがなく、それがなお良いのです。

残念なのは、任天堂の「ウルトラスコープ」と「光線銃SP」が入っていないことです。とくに「ウルトラスコープ」の当時のテレビCMはかなりかっこよくてですね、渋滞している車の席から少年が、この「ウルトラスコープ」で、他のイライラドライバーを差し置いて、道路の先方でなにが起きているかをチェックしてしまう、というだけのものですけど、それはそれは、男子にしてみれば、007なみにイカしたガジェットだったわけ。その広告、もういちどみてみたいなぁ・・などと感慨深くなったのであります。ちなみに任天堂を「花札の会社」と得意気に表現する40代が多いけど、すでに僕の時代の任天堂の製品は、「かなりハイテクでイカしていた」ぜ!? だからなおさら、あの広告がみたいわけで。(そういえば今日は新橋でMさんにご馳走になりました。なにか大きな賞をとられたそうでおめでとうございました)

広告コピーを振り返りながら時代性を俯瞰する、といった高尚(?)な目的の本ではなくて、どちらかというと雑多な広告図版を集めただけのものですけれど、その分、線の太い製品がずらり。今は大手になった企業も、はたまた名前すら聞く事がなくなった企業も、みな中小企業の勢いに満ちていて、それはちょうど、中小企業版の「ドラマ官僚たちの夏」といったところ。昭和の日本というのは、玩具も力強いなぁと唸らせてくれます。そんなのに比べたら、僕らのいるゲームの世界なんてさ、なんと線の細い広告しか打ててないことか・・。

ま、今日は疲れているのでとりとめのない更新となりましたが、今回からはじまった「今月の一押し」は、この「ちびっこ広告手帳2」なのです。1260円。もしかして、それでも若い諸君には「ノスタルジックな広告デザイン集」ととられてしまうのではないかなぁ・・。