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斎藤由多加のブログだよ

北方領土の日

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今朝の朝日新聞の一面に、こんな広告が掲載されている。

声を結集させるのはいいが、結集させたところで日本はどういう戦略で自国領土(!)を取り戻す腹積もりなのか、それが知りたいわけである。それがあいまいなのに声だけ集めよう、なんていわれてもねぇ・・・なんというか、外交というのは代表権を委ねた上での大切な仕事なのだから、その被委任者(=政治家と官僚)はきちんとカードを使って仕事をしてもらいたいものだ。スコアが曖昧なゲームに人は集まりませんよ。

そもそも日本が終戦記念日としている1945年8月15日。しかしこの日以降も戦争は続いていたというのが国際法的な解釈なわけで、じゃ決着したのはいつか、となると、連合軍と日本の間でサンフランシスコ講和条約が締結されたとき、ということになる。

このサンフランシスコ講和条約に、ソ連はサインしていないので、この曖昧な状態は続いている。言い方を変えると、ソ連との戦争はまだ続いている、という言い方もできる。

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戦争が決着していないまま、戦争放棄憲法で唱ってしまった日本は、こげついた残債の取り決めをしないまま「債権放棄」をした銀行のようなものだ。そうわかったら、借主は借金を返すわけがない。そんな状態で、国内の声だけ集めようとしても、進展があるとは思えないんだな。

本当に自分の領土だ、と主張するならば、自衛権の行使ってのが日本にもある。それにのっとって堂々と北方に自衛隊を出動すればいいじゃないか。奪還すればいいじゃないか。ロシアはグルジアで死人を出しながら今日もそれをやってる国なわけで。

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そんなこんなで六本木のロシア大使館あたりを通りかかったら、あたりは右翼団体街宣車が集まっていて、警察も同じ数かそれ以上が待機していて、昼ごろからずいぶん物々しい雰囲気だった。暑い中たいへんなエネルギーだ。

その様を見たくて僕は徒歩でロシア大使館正門の前を通ろうとしたのだけど、「はい、一般通行人がとおりますよぉっ! 道をあけて!」と、まるでテレビのロケみたいに警察官の一人が叫ぶ。いやいや通行人じゃなくて、参加したいんですが、と思いながら灼熱の中、高らかに読み上げられた抗議文を聞こうと近寄ると、「はい、一般の人は近寄らないで」だと。

「なんで見ちゃいけないの?」と聞いたら、警察官は僕を睨みつけたまま黙ってしまったのでそのまま写真を撮らせてもらった。

しかし今日の朝刊の一面に、「声を結集しよう」と広告を出しておきながら、「一般の人は近寄らないで」」はないだろ!!だったら新聞広告なんて出すなよ。

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△週末なので大使館は閉館中。読み上げた抗議文を大使館のポストに・・

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△どうせなら、中国みたいに海外のプレスを日本政府も秘かに呼べばいいのに。国際世論へのデモンストレーションというのはそういうものだ

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△うっかり北方への声を結集したら、逆に捕まっちゃいそうな雰囲気。

先々月に韓国を訪れたら、「米国牛肉の輸入反対」のデモ行進が延々と続いていた。日本人は世界一しらけている国民だから、デモ行進に参加するなんて熱い風習はもはやない。なに考えているかよくわからない人ばかりの選挙に、投票にいこうなんて気持ちもわかない。

結局、日本政府は、北方領土の奪還にむけて、市民たちを結集させたいのか?それとも地元警察の手がら稼ぎの餌食にさせたいのか?

意味深な新聞広告を出すだけ出して、「じゃ、どうしてほしんだよ!?」という疑問を抱えたまま、「しかたないからスポーツジムでもいくか」となってしまった土曜日である。