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斎藤由多加のブログだよ

EarhBooKという名のアプリをつくったのでお知らせします。

 ●視点がガラになる理由・・・地図と教科書

「肌色という色は英語にありません」というコピーは、たしか二十五年くらい前の某英会話学校の広告につかわれたものでした。

最近は携帯電話だけでなく、僕ら日本が、いや日本人の価値観そのものが「ガラ」といわれています。かつては「島国根性」なんていう言葉とともにいわれてきたけれど、学生時代には「航空機でこれだけアメリカが近い時代に、いまさら島国根性もないだろう」と、ピンとこなかった。でも、それが、なかなかそうでもないと思うようになったのは海外で仕事をするようになってからのことです。

人間の発想は、おもしろいほど、見ている地図や教科書表現や名前などに歪められるものです。で、僕たち日本人がもっている価値観は、どうしても「ガラ」です。どうしてか?といったくわしい話は今後もこちらのプログで書いていこうと思いますが、要するに「日本史」と「世界史」をバラバラに学習してきた僕らは、この二つが頭の中で紐づいていない。いや紐づけなくてもよかった。それは「島国」という地形の影響が大きい。ヨーロッパのように地続きの国はそうはいかないわけですからね。

●EarthBooKというアプリ

さて本題に戻ります。

2013-08-12 00.28.38

EarthBooK(R)は、オープンブックがこの夏にリリースする"地球儀"をプラットフォームとしたアプリ(シリーズ)です。我ながらいい命名だと思っています。

さて、この第一弾コンテンツとして出すのは「世界の領土の変遷」といいます。日本とアメリカを手始めに、イギリス、ロシア、スペイン、ポルトガル、etcと順次プラグインで発売してゆく予定です。順次購入いただいた国別の領土変遷地図がひとつの地球儀上に追加で配置されていくというしくみです。(今日の時点でアップルの承認がえられていませんが得られ次第)日本とアメリカ版がリリースされてゆくことになります。

●このアプリを制作した理由について

このアプリは足掛け3年かかりました。調査と開発に要した費用は回収できる自信は正直ありませんけれど、やっと出せるのが嬉しいタイトルです。

なぜこんなアプリを作ったのか? それは、「動かしてみないと見えてこないこと」、「分けて見ていたのではわからないこと」が、地図にはたくさんあると気づいたからです。これはゲーム業界の人にとってはあたりまえのことです。「大国アメリカ、が、実は最初はすごく小さい領土だったということを知ってるか?」と言葉でいわれるよりも、絵で見た方がずっとわかる。

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その一方で、ただのちっぽけな島国の、イギリスという国。この国の領土が今のアメリカを遥かに凌ぐものだったことを今の子供たちはどれだけ知っているでしょうか?

第二次大戦で「原爆」という究極平気を偶然持ってしまったアメリカは、「ヘイ、イギリスさん、いいかげん、おまえらの植民地を手放せよ。」といい、植民地にはしない方針でアメリカは「軍力配置」という帝国政策をとりはじめます。

●資源と植民地と帝国主義

大戦前にあちらこちらで起きていた欧州列強の「領土拡大の時代」が、日本の戦争に踏み入れる理由にも影響を与えているわけです。でもそれはどんものだったの? どの規模だったの? え?まじ?こんなに? といったように時間軸を「行き来」させながら、歴史と領土の変遷を俯瞰してみたいというのが、このアプリをつくった同期です。内容はゲームではありませんが、表現手法やデザインは、いかにもゲームクリエーターが得意とする領域といえるかもしれません。

そもそも地図というのは、紙のような二次元に変換させる時点で歪んでしまいます。そこに時間軸をいれることは、紙ではとうてい無理です。だからこそ、コンピューターでやる意義がある。

操作イメージ

 

上の写真にあるように、時間軸をいったりきたいすると、領土も変化する、とか、上の国タプを選ぶと、対象となる国が変わる(このタブを追加でコンテンツ販売してゆくのがうちの商売となります)。その時代ごとの国の領土面積を比較する小画面があって、バーグラフ表示して比較することができる、といったことができるのが特徴です。地球儀だから回転と拡縮もできる。つまり、向きやサイズ、時間軸、を国ごとにいじくりまわせる地球儀です。 

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●制作途中に発見したこと

実は私のいるオーブンブックという会社。ここは、YAHOO世界地図の引きの地勢情報を提供している会社でもあります(リンク先のYAHOO地図の画面下のクレジットを見てください。NASAと並んで(C)のクレジットされてるでしょ?)。立派な地図の会社(!)なんです。

ところで、「イギリス」という英語の国名が存在しないという事実を考えてみた事ありますか? 
僕たち日本人が「イギリス」と読んでいる国の定義が、そのせいでかなり曖昧なのです。イギリスという言葉は、スペイン語ないしはポルドガル語 から来ています。じゃ英語で言うとどうなる?となる。すると多くの日本人は「イングランド」というのではないでしょうか?イギリス人を「イングリッシュ」と呼ぶように、ね。しかしイングランド、とは英国に属する一つの国に過ぎない。だからもし、スコットランドから来た英国人に、「あなたはイングリッシュですね」というと、「おい、ちょっとまて」、となる。英国人を英語では、「ブリティッシュ」といいます。

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いわゆる「大英帝国」は、では、この四つの島国の事をさすのか?

ではイギリス連邦ってのは?  わからんようになってきた、えと、どこからどこまでがイギリスやねん??といった疑問の中に、日本人がなんとなく理解してきた概念と現実のギャップが象徴されてます。

話は長くなりましたが、そんな思いがたくさんつまったこのEarthBooK(R)は、時事とともに、そしてユーザーの皆さんとともに成長してゆくアプリだと思っています。近々に発売です。なにとぞみなさんよろしくお願いします。