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斎藤由多加のブログだよ

7年前の自分が選んでいた「好きな映画ベスト10」の10位-6位

ちょうど7年前、某メディアの取材で、「好きな映画のベスト10を選んでください」といわれ、その時に書いた映画リストとコメント原稿がひょっこり出てきた。なもんですから、自分を振り返る意味でも、ちょっとのせてみようと思い立ち、その10位ー6位を今回は紹介しようと思います。

これ、実は、本人にとってはとても恥ずかしい企画だったりします。

そもそも「好きな食べ物ベスト5」、とか「好きなCDベスト20」とかは、関係が深まりつつある間柄の人とは居酒屋で盛り上げる話題です、でもそれがメディア向けとけっこう迷う。なぜか迷うかというと、「こういうものを上位に持ってくると、XXXなタイプだと見られるなあ」とか「XXXだと誤解されかねないかな」みたいに、要するに、自分というイメージを印象づけるものなのでとても恥ずかしいしだから迷う。ちょうど「パーティーに何を着ていこうか?」と若い女の子が迷うのに似てるのかもしれません。要するに渋い映画を選んだりして自分を作ったり隠そうとしてしまうわけですね。それが良いことなのかはよくわからないけれど、メディアに「すきなもの」を聞かれるとついそういうことを考えてしまうわけ。

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M大学応援団出身の先輩のM氏は豪傑人間として身内では広く知られている名物男ですが、ある日しっぽりと飲んでいたら、ヘップパーンの「ローマの休日がすきなんだ」とぼつりと言い出したのです。

てっきりMさんだったらクロサワの「七人の侍」とか、マックィーンの「大脱走」とか、マッチョな男映画がすきと思ってたのでそれはとても意外な一言でした。

その時以来、20年間凝り固まっていた僕のMさんの見方がかわったのであります。でもそれは「イメージと違う」という驚きではなく、「そういう人だったんだ」という"理解" のようなものでした。もちろん映画の話だけではなく、一晩いろいろな話をして、の上での話ですけれど。

決して人には見せない、デリケートで小心で、豪傑とはほど遠いM氏の本当の姿を見たというか。これは決してオーバーな表現ではなくて、いまもMさんのことを。それから以降におこったたくさんのこととともに思い出しながら、つくづくそう思う。「好きな映画」ってのは、それくらい、人となりを赤裸裸に語るものです。だからとても恥ずかしい、というはなし。

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で、自分の話に戻りますが、この7年前の取材の時は、迷った挙げ句「好きなんだからいいじゃんか」的にけっこう割り切りまして、照れずに本当に自分の好きなものを羅列しました。ゲームクリエーターなんだからもっと渋いところをあげろよ、なんていわれそうですが、照れずに自分をさらけ出したような原稿でした。だからこの原稿、ずっととっておいたんだと思います。

いまのベスト10を選べといわれたら、これとはすこしかわっているかもしれないけれど、だからといって総入れ替えでもない気がする。というのも、上位にランクされた映画ほど、多感な10代に観たものが多いんだな・・。

小さなことに素直に感動できる心って、きっと脳細胞が日々生成されているような時期とシンクロしているんじゃないかな・・。

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前置きが長くなりましたが、では、いまより7歳若い僕が当時に選んだ、好きな映画ベスト10の10位から6位は次のようなものです。

**コメントはすべて当時のものです。


●10位 セブン

なんといってもオープニング・タイトルのかっこよさがいい。オープニング音楽はナインインチネールスの「クローサー・トゥー・ゴッド(Closer to God)」のリミックスというところまでは突き止めたのですが、アメリカ中探しても、どこにもCDが出てない。とにかく三十代になって以降、印象にのこる映画はすくないのですが、セブンだけはいまだにビデオで定期的に見てます。(当時)

●9位 ゴッドファーザーPart1+Part2

続編のほうが出来がいい、という映画はほとんどありませんが、このゴッドファーザーだけは、対等の位置につけています。

「男たちって、みんななんでそろいも揃って『ゴッドファーザー』をお手本にするのかしら」というセリフを、アメリカ映画のシーンでみたことがあります。軟弱なヤッピー連中にそれくらい影響してしまっているアメリカ社会でいう「男の中の男」映画ってことでしょうか?

Part2は、小学生のころ株主優待券みたいのがまわってきて渋谷の映画館で見たんですが、むずかしくて内容がさっぱりわかりませんでした。あとになってからPart1をテレビで見てからはまりまして、レーザーディスクの登場で、そのサーガの意味の深さを理解した作品です。

音楽には父親を、配役には妹を、そして続々編では娘を、起用するフランシス・コッポラという人の人生は、ゴッドファーザーと徐々にダブりはじめるわけですが、それに呼応するように、シリーズ三作目のプレミアロードショーで「いや、泣けました」といってたのが小沢一郎氏だったのが笑えました。(当時)

●8位 燃えよドラゴン

30年近く前になってしまうんですね。小学校五年生のとき、はじめて一人でいった一般映画館は、いまも忘れない渋谷東急文化会館五階、「渋谷東急」で、入館料は子供500円。このころは暇に物を言わせて、一度映画館に入ると二度みる、というのが常でした。帰宅すると、さっそくとりかかったのがヌンチャクの制作で、そのせいでこたつの足が二本足りなくなった、と親の逆鱗に触れました。映画を恋愛にたとえれば、ブルース・リーは僕の初体験の人です。

DVDがでて、改めてこの作品を見たんですが、やっばブルースリーはかっこいいや。(当時)

●7位 モンティパイソンの「ホーリーグレイル

モンティパイソンシリーズはどれも好きですが、渋谷のパルコ劇場で、テレビとはちがう完成度の劇場版を観て衝撃をうけた最初の作品。キリストの人生のパロディとなった「ライフ・オブ・ブライアン」と並んで大好きな映画です。

公開当時パルコ劇場では、日本語吹き替えとの字幕版の交互上映になっていて、納谷吾郎さん、広川太一郎さん、をはじめとするオリジナル吹き替え人のおもしろさに感動したしだいです。

そのあとレーザーディスクなども出ると買うわけですが、吹き替え版が、ない。どこかに出ているのならば、ぜひ教えてほしいです・・・・。(当時)

●6位 明日に向かって撃て

中学生の時に、これもどこかの名画座でみました。「アメリカ映画ってどうしてこんなにおもしろいんだろう」と、スクリーンイングリッシュという、台本を英語で読む雑誌を買い始めたのもこのころです。

こういう、アメリカンニューシネマと呼ばれた時代のあけすけなあかるさが、僕たち日本にはない新鮮な輝きを放っていました。

バート・バカラックの音楽も、燦然と輝いてます。(当時)

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ということで、次回は5位から1位までを一挙紹介だぁ! 爆