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斎藤由多加のブログだよ

人間関係の1ラウンド

写真のパネライの置時計がお気に入りだ。実はこの時計が『お気に入り』になるまでに、結構なエネルギーと時間がかかった。


そもそもは、このモデルの中古と新品が新橋のドンキホーテで並んでいるところからことからこの話は始まる。どちらも美品なので迷うことなく安い中古を買った。買ったところがあれよあれよと狂うので、差額を払って高い新品に取り替えてもらったのである。
この時計、あまりに見事に狂うので、三日目にすぐに電話した。返品をうける店としても、テストだ、確認だ、と時間と手間がかかり何度も新橋に足を運ぶことになった。誠意ある対応には感謝しているが。

それにしても時計というのは実にやっかいだ。
なにせ店頭でいくら見ても不具合がまったくわからない。

精巧なほど、狂いが判明するまでに時間を要する。今回のように一日5分狂う時計ならまだしも、日差20秒だとそうはいかない。一ヶ月して「これは・・」とわかったころにはもうクレームなんて聞き入れてもらえないだろうしね。高価な自動巻きであれば、数ヶ月つかってはじめてわかってくるから始末がわるい。

ま、一日は23時間59分なしがしというくらいで、完全な時計なんて存在しえないわけで、最後は、「じゃ、どこまでなら許せる」なんて話になってくる。

で人間関係もそれに似ている。
僕は基本的に人間関係が苦手だ。
考えが似ている、気が合う、そういう人ってのは、時計と一緒で、お互いのズレがわかるようになるまで何年もかかるわけである。それがつらい。

これが人間関係の1ラウンドとするなら、合わない人というのは1ラウンドがとても短くてすむ。パーティー会場で紹介されただけで、「あわないな」とすぐわかる。実はあとになつて、「最初はすっごい印象わるかったんだけど・・」などとフィアンセを紹介するケースが多いんだけどね。

で、やっかいなのは1ラウンドが長い場合だ。
同棲するようになって、あるいは一緒に仕事をはじめて、しばらくたったあたりにようやくわかってくるというパターン。

人間関係ってさ、狂っているのが自分か相手か、わからないのがみそ。
消耗すると、逃げたくなる。「人間づきあいはだから嫌い」、と言い切ってしまえば楽だ。楽だけど、「とまっている時計が一番正確だよ、だって一日に一度、かならずぴったりと合うんだから。」、と吹いているような、そんなむなしさがある。自分を振り返るとね、『自分もなんとか正確になりたい」、とあがいているから人間なのですね。とまっている時計は自分の時間をもっていないんだもん。死んだも同然よ。

そうでも考えないと、プロデューサーはやってられないですな。
だって実も知らない人をある日突然採用して制作の現場をやってくんですからね。