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斎藤由多加のブログだよ

自己証明のための携帯電話番号と連絡先としての携帯番号の分離の時代

最近はじめた「路上で100万円を発見する方法」というメルマガがあるんですが、そのメルマガにはどんなことを書いているかといいますと、もともとはゲームの発想法を書こうという趣旨だったんだけど、開始してから約一ヶ月半、ずっと自分の興味の対象である「モバイルアプリ」について語っちゃってます。

そもそも僕は、マーケッターではないから、どこの会社がどういう動きをしているとか、どことどこがいくらの規模でどうだ、とかそういう現在完了形のニュースには疎いのですよ。僕が得意なことがあるとすれば、「世の中はこういうものが必要だ」とか「こういうものがあれば絶対におもしろい」といった、いわば客観的な根拠のない、現在取得可能なマーケデータとは非連続な場所にある、自己潜在願望の発見物のようなことを書いていて、それはつまりいつもやっている自己対話の中で次の製品を発想する体験そのものだったりします。

下に紹介するのは、ついさきほど書いた今日配信するメルマガの原稿の一部(前半)です。こういうのが送り届けられるメルマガ、おもしろいと思ってくれたら読んでくださいね。(初回登録がやや面倒ですけど)

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海外とのテレビ会議が無料なのに、音声通話だけはバカ高いことに疑問を抱いた人はいませんか?

今回だけはちょっと理屈っぽくて、長いメールになります。前回の「アップルが電話事業をおっ始めるんじゃないか?」という勝手な憶測の続きから。

 

●電話ビジネかの意味が変化していること

さてここでいう電話事業ってのは、アンテナを敷設して・・ということではない。前回のコカコーラ方式と同様、グローバル勢からしてみればそんなのはローカルの企業がやればいいことです。

 

電話事業のカギって何か、となると、「アドレシング」ってことに行き着きます。電話で言うならば電話番号を割り当てる権利。サイトでいうならばURL、メールでいうならばメールアドレス。このアドレシングを行う権利はこれまでは公的機関が多かったけれど、ワールドワイドな複合サービスになると、競争に勝ち残ったどこかの企業ということになる。その企業は、人類のコミュニケーションの行く末を左右する影響力をもつことになります。かつて旧電電公社によって「取り次ぎ交換」や「番号案内」が独占されていたのも、この覇権をもっていたのが理由。

 

これまでの電話事業では、政府の小会社である旧電電公社(NTT)がこの「電話番号割り振り」を一手にやってきました。しかし携帯電話では3キャリアに分割されておこなわれてきた。しかしそこに「個人情報保護法」も登場したので「携帯電話の番号案内」は不在のまま。昔の分厚い「電話帳」がなくなったことがSNSの必要性を押し上げているともいえる。

アンテナや巨大なケーブルの敷設投資がおわった時代の先に出現するものはなにか?それは電話会社の「ソフト化」です。いいかえると、一般消費者による「てっとり早く人を探して、その人に接続してください」というサービスへの欲求です。巨大に長い番号を入力する時代は、もう終わりました。「本人特定→(承認)→接続」です。

 

●本人認証

僕たちがいまつくっているアプリは、かつてのように携帯メアドやツイッターIDなどを使いません。本人認証にはその人の「電話番号」でする建て付けになってる。

その理由は、申し上げた通り、この電話番号がとても重要になると思っているからなんだけど、でもそれは、本人が本人であるための担保としての意味です。

社会保険番号みたいなもので、「だれもがひとつもっているひと」と「連絡先でもあること(=SMS)」そして「ころころと変わらないこと」が重要なだけでして、ツイッターIDのようにそれを他人に広く公開するためという意味ではない。今までややこしいかったのは、この「電話番号」という日本の電話キャリアが割当てた「個人ID」意味と、もうひとつ、「連絡先」としての意味がひも付いたまま、だからです。そろそろそれを分離する時代がくる。(以下つづく)