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斎藤由多加のブログだよ

エレキギターの都市伝説

1950年代に製造されたギブソンレスポールの初期モデル(=オールド)は、程度のいいものだと2000万円から3000万円ほどするわけで、ヴァイオリンでいうとストラディバリウスみたいな存在です。

この価格の根拠が「その希少価値」ということであれば、「ま、なんとなくそんなものか」、と思えますし、「木のトラ目が美しいと価値が高い」というのもわかる。が、それ以上に「その時代のギターは音が乾いていてこの上なくいいのだ」となるとね、電気楽器なだけに「いまの最新技術ではもう作れないの?」と思えもするわけで、僕もその一人だったりします。

「ちがうんだよ、木が違うんだ、使われている木がね」
そう答える諸先輩たちの気持ちもわかるのだけれど、そもそもエレキギターの仕組みに「木」がどう関係するんだよ?となると、その論点は曖昧になってしまう。

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フレミング右手の法則ってのがあって(左手ってのもありますが)地場に張られた金属線がゆれるとコイルに微弱電流が発生します。これがピックアップ。その電流を増幅し(アンプ)、センサー部と同じ構造をした機器(スピーカーコーン)に逆に流してやると、音が再生されるという、考えようによっちゃかなり謎の多い自然界の仕組みが、いわゆる音の採取と再生技術の基礎です。エレキギターもしかり。ま、ここまではいいとして、この「フレミング右手の法則」に、「周囲の木がどう影響するんだよ!?」ってあたりが、本ミステリーの本質なんですよ。
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50年代後期に彗星のごとく出現した「エレキギター」は、20年間で劇的な進化を音楽にもたらした。ベトナム反戦運動やら公民権運動、あるいはヒッピームーブメントなどを背景に、「エレキサウンド」はそれまでの権威的な楽団の構成を覆し、「4人編成のバンド」という時代のテンプレートとなっていったわけです。ま、ここまでの歴史は誰でもがご存知の「サイケ時代」とか「ロック・ゼネレーション」ってやつ。

この時代に青春を過ごした世代にとって、だから、ジミーペイジやら、ジミヘンやら、ジェフ・ベックやら、その他多くのギタリストが醸し出すサウンドが神格化されているのも、ま、影響されたんだからそうだろうなと納得できる。しかし、そのサウンドが、いまのギターでは出ない優れたものだ、ということになっちゃうと、「なんで出ないの?」となる。数十万人、いや、数百万人のフアンが「木が原因だ」と信じているとなると、「ほんとかよ?」とあまのじゃくな僕としては言いたくなっちゃうわけです。「それって、さもありなんな理由だけど、実は都市伝説なんじゃないの?」みたいな。

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厳密にみてゆくと、弦の振動はソリッドなボディーに伝わり、そしてネックを通じてふたたび弦の振動にフィードバックされる、したがって、ボディーは不純な音を除去し弦へと返すフィルターの役割をしている、ともいいます。
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これがどこまでの真実なのか、僕にはわからないのです。ボディーがないエレキもあれば、プラスチックのものもあるし、なんといったって先端素材技術を駆使すれば、木の個体差を補完しフィルタリングの能力の高いものだってあらわれてもよさげなはずだし。
でも、楽器屋にあるスタンダードなギターはすべていまだに「木製」なんだよな・・。木って、そこまで人類の技術をよせつけない「すごい素材」なんですかね? わからないのです。
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オヤジ世代を惹き付けてやまない、このミステリー、こんどギターメーカーの職人さんに取材にいってこようかとも思っているのですが、かくいう僕も、このミステリーを信じたいところがあるのも事実。貴重なハードメープルボディをしたギブソンの59年モデルの復刻を、なぜか引き寄せられるように一昨年買ってしまいまして・・。はたしてこの21世紀版59年モデルの音は「味がある」のか「ない」のか、どっちなんでしょうかね? それきがよくわからないまま買っている僕も僕なんですけどね・・。


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古いものには味がある、と信じたい心理ですかね?

追伸

なんか写真が表示されないぞ・・

ブログシステムのバージョンアップのせいですか?