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斎藤由多加のブログだよ

お辞儀という表現

オバマ大統領が来日し天皇陛下に表敬訪問した際、お辞儀をしたことがアメリカ国内のマスコミで批判されているというニュース。このニュースは、日本のバラエティー番組だけでも数回取り上げられていたので見た人も多いと思います。

番組によると、多くの日本人はこのオバマ氏の行動を好意的にとらえているようですが、アメリカメディアは「アメリカ合衆国が相手国よりも下であるかのような態度をとることはけしからん」という指摘をしているというもの。
英語でBOW(お辞儀)は、「相手に屈服した」という屈辱的な意味が強いという説明も併せて報道されてました。でもこれってちょうど、「アメリカ人は、人の名を"さん"づけでは呼ばない無礼な乱暴者だ」と決めつけるのが愚かである事と似ていて、相手の尺でみるか、自分の尺でみるか、によってその意味合いがまるでちがってくるというきわめて初歩的な文化論なわけです。
「日本ではお辞儀をしっかりとできる人はとても尊敬される」という(彼らの「屈辱」とはま逆ですが)美意識を知っていれば、大人たる米国の一流メディアがどうこう議論すべき話ではないわけですけど(その証拠に、多くの日本人は、オバマ氏は日本に屈服したなどとはとらえていないわけですし・・)、アメリカは、それくらい自分中心なものの見方をしてしまう国だということを改めて知った次第です。それがすごく残念に思えた。ま、このメデイアの報道が米国市民の総意を代表しているととらえるのもどうかと思いますけども。

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ゼルダの伝説の、たしか「時のオカリナ」だっと思いますが、最後のシーンで村人たちが「お世話になりました」みたいな台詞とともに、主人公(リンク)にぺこりとお辞儀をするシーンがあったことを鮮明に記憶しています。
「このシーン、海外版では、どうアレンジされるんだろうか? たぶんそのままかな?」なんてことを思ったので記憶しているんですけど、この「ぺこり」とお辞儀をするという行為が海外でも普及するといいな、なんてことを思った事もあわせて記憶しております。映画も音楽も小説もなかなか世界に出て行けない国ですけど、ゲーム作品を通じて「日本的表現」が世界の子供たちの間で広まったらすてきだな、なんてね。海外の、ことハリウッド映画に出てくる日本人は、とても奇異な風習としてお辞儀をしている姿ばかり描かれてますけど、この「お辞儀」ってビギナーではかっこよくきまらない、なかなか奥の深い風習です。僕も、40代にはいってようやく上手にできるようになってきた気がするわけで、だからなおさら、このまま失われてほしくないと思うおくゆかしい文化だと思うのです。

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お辞儀をかっこよくする欧米人と聞いて真っ先に思い出すのは、ビートルズです。
彼らは、一曲演奏しわるといちいち、スーツ姿で四人そろってお辞儀をする「礼儀正しい」バンドでした。彼らは大英帝国の人ですけど、あのお辞儀の意味が果たしてどういう意味合いがあったのか、それは日本人が受け取る印象とは実はまったく違うニュアンスがあったのか?アメリカ人は彼らのライブ演奏を見て、このお辞儀をどう理解していたんだろう?

エスキモーの言葉に「雪」を意味する言葉がたくさんあるように、僕ら日本人はお辞儀の仕方でいろいろな意味を感じ取る事ができる文化をもっています。
この「お辞儀」という感情表現が、アメリカ人のハイタッチみたいに世界に普及して、そのうちに「日本人は世界でもっともお辞儀の上手な民族」なんていわれ方、されてみたいんだな。