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斎藤由多加のブログだよ

いまいち好きになれないコンビ漫才の理由

出かけずにテレビ番組はずっとお笑い番組ばかりを見ていた今年の正月休み、娘が芸人情報にくわしいおかげで、いろいろな意味で楽しめました。

「笑える理由」って何だろう?と考えた人は多いと思いますが、ボクもそこがまだよくわらない。論理的に解明できた人なんてこの世にいない分野だと思いますけれど、わからないなりに、年末年始のお笑い番組を「所属事務所の傾向」として俯瞰するのがおもしろかったという話。

で、面白い芸人の共通点はなにか、となりますが、セリフそのものが面白いかとなると、実はそうでもないことに気付く。
前回の「間」の話と関係が多少あるんですが、おもろい芸人さんは、そのあとの「どうする?」という「間」のあと、のもっていきかたがすごく巧(うま)い。
そもそも笑いの根底にあるものって、「あるある」みたいな「共感」ないしは「え?そっちいくかよ!?」みたいなその裏返しではないかと個人的に思うわけです。で、この「間」の長さの取り方で、観客の意識の代弁や、逆に意表をつくようなひっくりかえしが表現されてると思うのです。

ダウンタウンの松っちゃんのように、自らが落としどころのないヤバい墓穴をつくって、間でそれを表現するという、実に高度でギリギリの事を仕掛けてくる芸人 もいる。(どちらかというと通ウケ気味な、この独特のギリギリ感を集めたのが「してはいけない24時間シリーズ」のリアクションで、逆にそれらを排除したのが「す べらない話」だと思ってみてます。最近すべることも多々あるみたいですけど。)
正月番組をみていると、吉本系の人は、そのあたりがけっこう徹底されている印象があるのだけれど、一般的なタレント系事務所の芸人たちはどうもバラツキが大きい。

正月に出演している人気芸人の中でたった一組、どうしても面白さがわからないコンビがいるとしたら、それはナイツというコンビ。
ひ とりがひたすらボケて、もうひとりはそれを拾っては突っ込むんだけど、突っ込みに耳を貸さず、我が道を行くといわんばかりにひたすらマシンガンのようにボ ケを連発する、というタイプの漫才。リアクションもないから「ああ、なるほどね、ははは」とオチない。「なんでこの人ボケ続けてるんだろ?」という疑問だ けがのこる・・。

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むかし、会社の運営で悩んでいた時、先輩社長からこう指摘されたことがあります。
「斎藤君さ、(社員から会社の運営に関して質問された時に)、君は即座に答え過ぎだ」と。「たしかに論理的で、かつ要領を得ているのかもしれないが、話し方がプロっぽ過ぎて説得力がまるでないよ。すこしは社員と一緒に考えるフリをしなさい」と。
「ああいえば即座に答える」型で答えていたのでは、「情報」は得られても「共感」がえられない、ということと理解しています。10年以上前の事ですけど、いまだに頭から離れない一言です。

さて漫才の話に戻りますと、笑いのネタは誰にもひとつやふたつ経験がありそうな失敗談。
突っ 込みによってボケてる意味が観客にわかるまでのぎりぎりの時間が「間」だとすれば、その取り方が「共感」のための時間なんだと思うんだな。ボケてる側の方 が人気が出る理由も、この「共感」だと思います。ネタセリフの連発だけで、突っ込まれてもまるでうろたえることのないボケ役は、まるで人間性とかが伝わっ てこない、だだの「変な人」となってしまう。ナイツの漫才を見てて、ボケ役の人(はなわの弟さん)は、「きっと頭がいいんだろうな」とは思うけど、実はど んな人柄なのか、ぜんぜんわからない。結果、わらえないし、興味がわかない、そういうことなんだろうと思います。

ま、これは私見でして、もっとちがった楽しみ方が多々あるんでしょうけども。